【安座間美優の美書道】霜月／11月「白息」

連載企画『安座間美優の美書道』では、書道八段の安座間美優さんが選ぶ美しい語と書を毎月お届けしております。

第8回目は、11月の語句に「白息」を選ばれました。
「白息」は、寒いときに人が吐く息が白く見えることを意味する言葉です。

本末には、安座間美優さんご本人が書き下ろした11月の作品の抽選のご案内がございます。
毎月1名様へのプレゼントにつき、前回抽選に参加された方の再応募もお待ちしております。

「白息」とは

白息（読み：しらいき）

寒いときに人の吐く息が白く見えること。
息白し（いきしろし）とは、俳句における冬の季語で、吐く息が白く見えること。

https://www.weblio.jp/

校庭で友達と「白息」で遊んだ冬の思い出

11月の語句として「白息」を選ばれた理由は？

安座間美優：私にとって「白息」は、冬になった嬉しさを実感する言葉です。
沖縄で過ごした子供の頃、学校の校庭で「あ、白い息が出るよ」って友達と言い合っていました。
沖縄では雪はもちろん降らないですし、白い息が出ることすら珍しかったので、白い息が出ると感動してみんなで外に出てはしゃいでいたことを思い出します。

「白息」で遊んでいた子供時代の記憶は、大人になっても寒い季節の醍醐味の一つですね。

それでは準備にとりかかります。
「白息」は、9月で使用した「彩月」と同サイズのオリジナル判の和紙に筆を下ろします。

「白」は、光を反射したときに、見る人に明るく感じさせる色です。さらっと一筆で描かれました。

「息」は「自」と「心」の会意文字で、心臓部分から鼻に抜けるという「息」が成り立ちとのことです。
一筆ひと筆の文字の流れと余白も美しく調整されています。

ほわっ消えていくような「白息」を草書体で表現

最後は、安座間美優さんご自身の落款印を押印して作品が完成です。
11月の「白息」を書き終えてみていかがですか？

安座間美優さん：今回は、「白息」の柔らかさや空気感を活かしたく、楷書ではなく草書を用いました。
楷書は普段から見る書体なのでバランスがわかりやすいのですが、草書は見慣れていない書体なのでバランスの取り方がとても難しかったです。
擦れたり丸みを出したりした文字から、息の「はぁー」というような、ほわっと消えていく感じが伝われば嬉しいです。

今回、安座間美優さんは衣装もオールホワイトで統一され、「白息」を草書体で描かれました。
身が引き締まるような心地のいい冷気のなかにも、柔らかさや温かさが滲みでています。

草書によって字画が少なく、外の空気に息の風が通るように「白」、それに続く「息」へと筆が運ばれています。特に「息」のかすれ具合は、寒さのなかの吐息であることが示されていて存在感がある逸品です。

連載企画「安座間美優の美書道」では、安座間美優さんによる語句選びや書を通じて美しい日本語や日本伝統の心をお届けしてまいります。

【安座間美優の美書道】出演　PROFILE

【安座間美優の美書道】神無月　GALLERY

ヘアメイク：只友謙也
衣　　　装：楠玲子
撮　　　影：中山雅文
執　　　筆：BIJIN＋編集部

『安座間美優の美書道』霜月　作品プレゼントの応募

安座間美優さん本人が書き下ろした作品を、抽選で毎月1名様へプレゼントいたします。
11月の作品は「白息」です。

＜応募方法＞
以下の応募フォームよりご応募ください。

＜応募期間＞
2023年11月6日～12月3日23時59分〆切

＜当選発表＞
応募締切後、厳正なる抽選の上、当選者の方には2023年11月末頃までに「当選のお知らせ」のメールをお送りいたします。

＜注意事項＞
・毎月お一人様1回のみ応募が可能です。複数回による応募は無効となります。
・抽選方法や抽選状況などに関するお問合せは一切お受けすることはできません。
・応募は、応募期間内のみに限ります。
・当選された作品の換金や譲渡、転売は一切禁止いたします。
　万一、作品が到着時に破損していた場合はお問合せください。
・応募フォームに入力不備がある場合や、ご連絡先が不明、ご本人様不在等の理由により、作品がお届けできない場合は、当選権利の無効・取消となる場合がございます。予めご了承ください。
・当選後も、作品の著作権は安座間美優本人にございます。
・本注意事項にご了承いただけない場合や、本注意事項の規定に違反する場合、不正な行為があると判断した場合などは、当選を無効とさせていただく場合がございます。

『安座間美優の美書道』霜月　応募フォーム