「BIJIN+」の第三弾の対談は、近藤しづかさんに引き続きお伺いしていきます。
ファッションモデルの近藤しづかさんは、『CanCam』『AneCan』専属モデルといった華やかなモデル経歴をもつほか、スタイル維持のノウハウを武器に“自炊モデル”として幅広くご活躍されています。
2017年には料理本『キレイに-5㎏! やせるワンプレートレシピ』(TJMOOK)を出版されました。
フードコーディネーターの資格を取得された近藤さんのレシピは、1食分をワンプレートで提案するスタイルでお洒落なカフェごはんが気軽に実現でき、同世代の支持をさらに集めました。
前回記事では、学生時代の読者モデルデビューからプロになるまでの機軸を教えていただきました。
今回は、専属モデルとしてご活躍し、さらに新しく料理ジャンルにまで幅を広げて飛躍されていった理由を質問しました。
『CanCam』専属モデルになってわかった読者モデルとの違い
編集部:前回記事では、読者モデルやミスコンなど、モデルとして本格的にデビューされた経緯を教えていただきました。
大学卒業後に『CanCam』専属モデルになってからは、読者モデルのときと比べて、モデルとして変わったなと思うことはありましたか?
近藤さん:全然変わりましたね。
読者モデルの頃は撮影に行くと「かわいい~」とどのカットも褒めてもらえるんですね。一方で、専属モデルの撮影現場はプロの世界。
読者モデルと違うことは、服を魅せることです。
「同じ表情は3カット以上いらない」、「バックの持ち方を変えて」といったように、現場では良い緊張感がありましたし、一日に100回着替えることもありました。
場所の移動や時間の制限もあるので淡々と進んでいきました。
なかなか上手にポージングができないこともあって、プロになってからは悔しい思いをたくさんしました。
引っ張ってくださるみんなに頑張ってついていこうと、とにかく必死でしたね。
編集部:ファッションモデルがよくするバッグを使ったポージングなどは、先生や先輩たちが教えてくれたんですか?
近藤さん:モデルはみんな基本的には自己流でポージングをしていましたね。
当時はデジタルじゃなくてネガだったので、撮影の後日に編集部へ行って撮った写真全てチェックをして良くないところを次の撮影までに改善できるよう研究していました。
編集部:ネガをチェックして改善されていらっしゃったとは、モデルとしての地道な努力があったんですね。慣れてきたのはいつ頃からですか?
近藤さん:実は今でも慣れないですね。撮影スタッフさんたちとの相性や、天気や時間によって光の当たり方が変わったりと、撮影現場によって全然違うので、毎回刺激を受けながら仕事をさせていただいています。毎回が学びですね。
編集部:謙虚なのにプロとして大きく成長された理由がとても理解できました。
新領域の「自炊モデル」は、理想の女性像から生まれた
編集部:モデルの仕事は、これからもずっと続けていきたいですか?
近藤さん:はい、ただモデルだけにこだわり続けるってことはないです。
自分がやりたいことや得意としているジャンルにどんどん挑戦していきたいですし、時代の流れも少しずつ変わってきているように感じています。
編集部:すでに『CanCam』専属モデルのときから「自炊モデル」という肩書をつけられるほど、「モデルx料理」といった近藤さんならではの分野でも成功されていますよね。
料理にハマったきっかけは何でしょう?
近藤さん:「素敵な女性」って何だろうって考えたとき、外面もあるかと思いますが、一番はやっぱり内面だと思うんです。
それで内面を磨きたいなと、人に喜んでもらうためには何ができるかって考えたら、料理を振る舞うことで大切な家族や好きな人たち、また自分も喜ばせることができるなと思って始めました。
料理に限らず、笑顔で普段から挨拶したり、率先してドアを開けたり、小さなことでもいいので、人のことを考えて行動ができる人は素敵だなぁと思います。
編集部:今日も感動したのが、近藤さんがスタジオのスリッパをスタッフの分まで揃えてくださって……。こちらがする方なのに、スタッフ一人ひとりにも笑顔とお気遣いをいただき、ルックスだけではなく本当にパーフェクトな方だなと大変恐縮しました。
健康と美容を追求して辿りついたヴィーガンと価値観
編集部:みんなから憧れられる近藤さんですが、“モデル+α”の集大成ともいえる料理本『キレイに-5㎏! やせるワンプレートレシピ』を以前、出版されていますね。料理本についても伺えますか?
近藤さん:料理本は、まだまだ集大成とまではいっていないと思っています。
というのも、出版した後に、私の永遠のテーマである「健康と美容」をもっと研究したんです!
日本人が昔から食べていた玄米菜食について2年間学校で勉強し、アーユルヴェーダも学びました。バリ・タイ・中国・フランスなどへも周って食についてたくさん調べました。
そして、辿りついたのが「ヴィーガン」でした。
日本人はもともと菜食でしたし、牛や豚といった命あるものをいただくのは、野菜みたいに簡単に摂取できるものではなかったということです。
また、環境問題にも大きく影響しているといわれています。
私はヴィーガンの生活を始めてからまだ1か月しか経っていないないのですが、胃腸など体が軽くなってきましたし、肌ツヤも良くなってきたのが目に見えてわかります。
なので、次に料理本を出すときには、ヴィーガンを全面に出したものになるかもしれません(笑)。
編集部:食や料理を追求した結果、近藤さんの気持ちの面でも大きく変わっていったんですね。
近藤さん:そうですね。以前はファッションモデルとして、服をどんどん買って古くなったら捨てるという感じだったのですが、そのサイクルに疑問を持ち始めました。
今は物を大量に消費する時代ではなくて、あるものを大切にしたり、そういった心を大事にする時代ですし、もう洋服は1年くらい買っていません。
レンタルしたり知人からいただいたりして新しい服を着るようにしています。
編集部:近藤さんは、読者モデルブームや専属モデルへのステップアップ、そして「モデル」×「○○」といった二刀流モデルの先駆けとしても、いつの時代もリードされ、新しいキャリアや価値観を生み出したり取り入れたりしていらっしゃるんですね。
以上、今回は近藤しづかさんのファッションモデルから発展させた「モデル×料理」など、モデル以外の領域で活動を広げてきた経緯と今度の展望を教えていただきました。
最終回は、健康や美を保つライフスタイルについてお伺いしていきます。