はじめまして。今回から「美レシピ」を連載にてお届けする、薬膳料理研究家の谷口ももよです。
「健康は日々の食卓から」と「美食同源」をテーマに、身近な食材で簡単で美味しい薬膳を中心とした「美レシピ」をご紹介します。そして、ヘルシーな野菜や豆腐を用いたベジ料理やダイエット情報もあわせてお伝えしますね。
さっそく第一回目は、初春のシーズンにおすすめの高級食材「アワビ(鮑/あわび)」を使った逸品「アワビ粥」です。調理時間は約30分間。おもてなしにもぴったりな「アワビ粥」で、本物の美の基を手に入れましょう。
アワビ(鮑/あわび)について
アワビ(鮑/あわび)は、海藻をエサにしていて海の栄養素が詰め込まれたように、低脂肪・高たんぱく・低コレステロールなうえ、栄養価が高くてコラーゲンも豊富。まさにインナービューティーに適した食材です。
また、韓国では伝統料理として病中病後などにも食され、東洋医学でも生薬として扱われ、肝機能アップ・目の充血の改善・ドライアイなどといった眼を良くする働きがあり、殻は石決明という生薬としても活用されています。
アワビの価格は、産地・種類・大きさによって異なりますが、1kg約7000円。中国産や韓国産のアワビですと1個300円~500円とリーズナブルに購入することができます。
主な栄養成分
- 銅
- 亜鉛
- 鉄分
- マグネシウム
- コラーゲン
- タウリン
- カリウム
- ビタミンA・B・C
主な働き
- イライラを抑える(鎮静)
- ほてりを鎮める(清熱)
- 眼精疲労や眼の充血を抑える(解熱)
- 不眠の改善(鎮静)
- 肝機能を整える
- 「平肝熄風」の働き
- 「養血柔肝」の働き
「アワビ粥」の作り方
アワビ粥の作り方はとってもシンプルで、特別な調味料は要らず、「鮑・ごま油・塩・炊いたご飯」だけで作れます。
生米から作ることもできますが、今回は、炊いたご飯でできる簡単な「美レシピ」をご紹介します。
食材(2人分)
- 生の鮑……1個(小さい物なら2個程)
- ごま油……大1
- 炊いたご飯……茶碗1杯
- 水…400cc
- 塩……適宜
- 海苔・クコの実…あれば適量
調理の手順
- 鮑をきれいにあらって固い口をとって、肝とひも、身をわけて、身とひもは食べやすく薄くスライス
- 肝はきれいにあらってザルで濾して滑らかに
- 鍋にごま油をいれて熱したら、鮑をいれてさっと炒めたら、ご飯と水400㏄をいれて15分ほど煮込むと完成!
- 最後は、塩で味を調えます(海苔やクコの実などを飾ると華やかに♪)
アワビ(鮑/あわび)のポイント
アワビ粥は、韓国ではとてもポピュラーな朝ごはんです。
しかし飲食店で並ぶのは、肝入りのアワビ粥だったり肝がはいっていないアワビ粥だったりします。
肝入りのアワビ粥は新鮮なこともあって値段は2倍ほど高価で、鉄分や亜鉛などの栄養価もより高くなります。
お店によっては肝の量も異なりますので要チェックです。肝がしっかりはいっているほど緑色が濃くなっています。
アワビとトコブシの違いについて
最近は、アワビの代用品としてトコブシという貝が扱われることがあります。
トコブシも、ミミガイ科アワビ属の貝でアワビの仲間なのですが、比較的安価で流通していてアワビとは区別されています。
アワビとトコブシの見分け方は、アワビは呼水口が4個程度(2~6個)なのに対して、トコブシは8個程度(6~8個)です。穴の開いたところがフラットで全体的に薄めなのもトコブシの特徴です。
またアワビは殻がごつごつしています。食感が違うため食べ比べればわりますが、購入の際はポイントにしてみてください。