毎日の調理で欠かせない油。
サラダ油やオリーブオイル、ココナッツオイルやごま油、えごま油、アマニオイルなどさまざな油の種類がありますが、その中でもおすすめしたいのが「米油(こめあぶら)」。
美容や健康に良いとされている米油の特徴や効果効能を詳しくご紹介します。
米油とは?

玄米を精米してできる米ぬかから生まれた植物油である「米油」は玄米由来の栄養素を豊富に含み、美容健康効果が高いと言われています。
素材の風味を邪魔しないクセのなさが特徴で、ドレッシングとしてなどそのまま使用するのはもちろん、炒める、揚げるなどの普段の加熱調理にもおすすめです。
米油は泡立ちにくい性質があるため、揚げ物がカラッと仕上がり、油っぽくない軽い仕上がりになるため、とくに揚げ物が美味しくできると人気が高まっています。
米油の効果・効能
ビタミンE
米油には豊富なビタミンEが含まれています。
ビタミンEは抗酸化作用が高く、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける働きがありますが、米油には通常のビタミンEよりもさらに強い抗酸化力をもつ、スーパービタミンEと呼ばれる「トコトリエノール」が含まれています。
トコトリエノールはビタミンEの約50倍近くの抗酸化力をもつと言われています。
ビタミンEには含まれないトコトリエール特有の作用として、コレステロール低下作用、抗がん作用、脳機能改善効果などの健康効果のほか美肌効果、アンチエイジング効果も期待できます。
植物ステロール
米油には他の油と比べて多くの植物ステロールが含まれています。
植物ステロールは、コレステロールの吸収を抑える効果があるため、脂肪の取り過ぎを気にしている方、食品中のコレステロールが気になる方、ウエスト周りが気になる方は積極的に摂取したい成分です。
γ-オリザノール
米油のみに含まれている抗酸化物質である「γ-オリザノール」。
血行を促進しコレステロールを低減させる効果や、脳の機能低下防止、更年期障害や胃腸神経症などの改善に効果的です。
善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす効果もあるため、腸内環境の改善にも役立ち、ダイエットや便秘解消、美肌にも効果が期待できます。
オレイン酸
米油に含まれるオレイン酸には、悪玉コレステロール値を低下させる働きがあり、動脈硬化にともなう心筋梗塞・脳梗塞・高血圧などの生活習慣病の予防に役立つといわれています。
また、オレイン酸には活性酸素の生成を抑える働きもあるため、シミやシワ、ニキビなどの肌トラブルの改善にも効果的です。
リノール酸
米油に含まれるリノール酸には、血中のコレステロール値を抑え、動脈硬化を防ぐ働きがあるとされています。
また、リノール酸は肌の主要な保湿要素の1つであるセラミドの必須の構成要素でもあり、皮膚のバリア機能を強化する効果があります。
肌の水分を効果的に閉じ込め、保水効果を高めることができるため、ふっくらとした美肌へ導く効果も。
紫外線や煙などの大気汚染物質から防ぐ働きも期待できます。
米油の選び方

米油は、玄米100kgを原料として抽出法で摂取すると、約1kgしかとれない希少な油です。
製造方法はさまざまで、溶剤抽出法と圧搾抽出法がありますが、溶剤抽出法はn-ヘキサン(ノルマルヘキサン)という溶剤を使用し、米ぬかから油を抽出する製法。
それに対し圧搾抽出法は、圧搾機などを用いて米ぬかに圧力をかけて抽出する方法で、化学薬品などを使用せず、安全性が高いとされています。
そのため、米油を選ぶ際は、圧搾抽出法で作られたものがおすすめです。
さらに圧搾抽出法の中でも、低温圧搾法と高温圧搾法がありますが、人気が高まり価格も高騰している今、なかなか低温圧搾法の米油と出逢うことが難しいようです。
ですが、より健康にこだわるのであれば、ベストなのは低温圧搾法で作られた米油。
高温圧搾法の場合、心疾患や動脈硬化、不妊やアトピーなどの悪影響をもたらすと心配されているトランス脂肪酸を、製造過程で含んでしまう可能性が高いからです。
低温圧搾法であれば、トランス脂肪酸を含む可能性が低いとされているため、米油を選ぶ際には製造方法を確認して購入することをおすすめします。
さまざまな美容健康効果を得られる米油。
毎日の食卓で活躍する油は、美味しさはもちろん、身体に良いものを選びたいものです。
油選びに悩んでいる方や、日頃からサラダ油を多用している方は、ぜひ米油を取りいれてみてはいかがでしょうか。