顔や体の若返りを図るためのアンチエイジング治療として人気の高い再生治療にはさまざまな種類がありますが、なかでもいま注目されているのが自然治癒力をサポートする「PRP治療」。気になっているけれど本当に大丈夫?と不安に思っている方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、PRP治療の効果や危険性など、メリット・デメリットの両側面を詳しく解説していきます。

PRP治療とは?

PRPとは多血小板血漿のことを指し、自分の血液を使用する治療法です。採血した血液から血小板が多く含まれる部分のみを抽出し、遠心分離機にかけて、成長因子が濃縮された自己PRPを作成し、顔や体など、希望の部位に再び注入し戻します。

PRP療法はヨーロッパやアメリカでは頻繁に行われている治療法で、成長因子が豊富に含まれ血液を再度注射することにより、その部分の組織の修復が促進され、若返りの効果が期待できます。
血液を加工して成長因子が濃縮された血小板を加齢で気になる部位に再度注入することで、血小板から成長因子が放出されて線維芽細胞の働きを促進し、その結果としてエイジングケアに欠かせないコラーゲンやエラスチンなどが増加し、アンチエイジング、バックエイジングにうれしい効果が見られます。

自分の体内にあった血液を再び戻すだけの治療法なので、拒絶反応やアレルギーなどを起こしにくく、再生医療の中では安全性が高い治療といえるでしょう。

 PRP治療でできること

PRP治療は自らの成長因子を増やして注入することで、肌細胞の働きを促進する治療方法です。
顔や首のシワや小じわ、たるみやほうれい線、マリオネットライン、ゴルゴ線、額・アゴ・目の上の凹み、目の下のクマやたるみ、くすみ、手の甲のシワなど、とくに加齢による肌弾力の低下が原因となり起こるエイジングサインに効果的です。
肌全体にハリ感や弾力が出て、ぷるぷるとした潤いが蘇ります。

ハリを失った肌の再生のほか、バストアップのための胸への注入や、こめかみや鼻、おでこなどに、ヒアルロン酸注入の代替案として選ばれることもあります。
ヒアルロン酸注入は、ほうれい線などのしわ治療やクマ解消など目的で局所的にへこんだ部位に注入し、即効的に補う人気の治療ですが、ドクターの腕やヒアルロン酸の種類、注入量によっては、しこりができてしまったり、広がってしまう、溶けやすいなどのデメリットがあります。

PRP療法の危険性は?

PRP療法は、自らの血液を使用し、もともと持っていた成長因子を増やして注入することで、肌細胞の働きを促進する治療方法のため安全性が高いと言われていますが、その一方でPRP療法による失敗例や施術後のトラブルも散見され、不安になる方もいるかと思います。

実際に美容クリニックでのPRP治療の施術で失敗したり、術後トラブルの危険性としてもっとも考えられるのが、「成長因子が成長しすぎてしまうこと」です。
そのような症例の多くは、自身の成長因子だけでなく、効果を高めるために人工的な成長因子を添加している場合が多いと考えられます。
自然の成長因子より格段に効果のが強く現れる「bFGF」と呼ばれる人工の成長因子をさらに添加することで、うまくいけば最大限の理想の効果を生み出すことができますが、効果のコントロールが難しいため、成長因子が暴走し、過剰に細胞が増殖し膨らんでしまうリスクや、肉芽腫やしこりができてしまうトラブルが起きるというリスクがあります。

このようなリスクを回避するために、安全性を優先するのであれば、人工の成長因子は添加せずに、自身の成長因子のみを使用し施術をしてくれるクリニックを選ぶのがおすすめです。リスクを把握した上で「bFGF」の添加より高い効果を求めたいという方は、PRP療法の症例が多く技術の高い、信頼できるクリニックとドクターをしっかりと選びましょう。

美容施術は医療行為なので、劇的な変化を期待できる一方で、リスクは少なからず必ず伴うものです。メリット・デメリットをしっかりと把握した上で、適切な施術を受けるようにしましょう。