しょうゆやみそなどの発酵食品は、美しく健康な体づくりのためのとても大切な栄養素。
なかでも日本発祥の、麹菌から生まれる麹は、日本人の私たちにとって、なくてはならない発酵食品として、古くから愛されてきました。
今回は、麹の持つ魅力とその効果について、詳しくご紹介します。
麹菌とは?

麹菌は麹をつくるための糸状菌で、お米から自然と発生した野性菌です。
カビの一種であり、白米に麹菌を繁殖させて作るのが一般的。
東アジアや東南アジアでしか生息しないとても貴重なもので、日本醸造学会は2006年に、麹菌を「国菌」として認定したほど、麹菌は日本の食卓と健康を支える大事な存在として認識されています。
麹菌は、食材をやわらかくして、うまみ成分をグッと引き立たせる効果があり、毎日の料理を手軽にアップデートすることができます。
美味しさを引き出すのはもちろんですが、近年「菌活」という言葉が流行っている通り、麹菌を含む料理を食べることによる体へのメリットも大きくあります。
麹菌の美容効果
麹菌は美容・健康にうれしい働きをすることで知られていますが、麹にはビタミンB2やB6、ナイアシンなどのビタミンB群が豊富に含まれているため、とくに美肌や美髪に抜群の効果を発揮します。
ビタミンB群はたんぱく質の代謝をサポートする作用があり、疲労回復や肌の老廃物を取り除く効果があるため、若々しく健やかな体づくりには欠かせない栄養素です。
とくにビタミンB2は「肌とエネルギー代謝のビタミン」とも言われており、脂肪の代謝や細胞の再生を助け、美髪・美肌効果が期待できます。
麹菌のダイエット効果
麹には脂肪を分解する働きをもつ「リパーゼ」と、消化を助ける働きのある「ブドウ糖」が含まれており、ダイエットにも効果的です。
麹菌を摂取することで満腹中枢が刺激され、空腹感を紛らわすこともできるので、食欲コントロールが難しい方のダイエットをサポートしてくれる効果もあります。
さらに、麹に含まれる酵素の働きによってオリゴ糖がつくられると、腸内の善玉菌が増えるため、腸内環境改善や便秘の解消・予防にも効果的です。
腸内環境が整うことで、ダイエット効果が得られるだけでなく、なかなか治らないニキビなどの肌トラブルを体の中から改善することができます。
麹を手作りするメリット
麹には絶大な美容健康効果がありますが、市販のものにはどうしても保存料などの添加物が含まれてしまうため、酵素の量が少なくなってしまいます。
麹を手作りすることにより、さらに良質で酵素を多くたっぷり含んだ麹菌を摂取することができるので、高い効果効能を得ることが可能です。
米麹の作り方

《材料》
- 米(4合分)
- 種麹(3~5g)
- ザル
- しゃもじ
- 毛布
- 布
- 蒸し器
- トレイ
- 温度計
- 温熱装置
《手順》
1)お米をにごりがなくなるまで、2,3回ほどよく洗う。
2)洗米したお米をきれいな水に漬ける。春・秋は6~12時間、夏は3~5時間、冬は15~20時間ほど が目安。
3)米をざるにあげて、3時間程度放置し、水をしっかりと切る。
4)お米を蒸し布で包み、せいろや蒸し器に入れて約40分蒸す。
5)お米が蒸し上がったら、清潔なトレイや布巾に蒸し米を広げ、45℃程度に温度が下がったら種麹をふりかけ米全体を優しく混ぜる。
6)お米の中に温度計を差し込み、なるべく小さく丸くなるようにパイレンで力強く包み保温する。
※麹菌の繁殖に最適な品温は35~40℃程度
翌日、麹の手入れ1回目(切り返し)→布に包んだお米を麹蓋に移す(盛り)→麹の手入れ2回目(中仕事)→麹の手入れ3回目(仕舞仕事)を行います。
そこから数時間経過した3日目に、菌糸が伸びて米同士がくっついて板状になり、手で簡単にほぐれる程度に仕上がっていれば、良い麹が完成した状態です。
手作りの米麹を作れば、そこから甘酒や、塩麹や醤油麹などの自家製調味料なども簡単に作ることができ、料理の幅も広がります。
美容健康効果の高い、私たち日本人の体づくりに欠かせない美人フード「麹」。
市販のものでも十分うれしい効能を得られますが、さらにたっぷりの酵素で効果をアップさせたい方は手作り麹がおすすめです。
麹菌を日常的に摂取して、菌活で美しい体を手に入れましょう。