応用生物化学科の真帆です。
美容といえば耳にする栄養素「ビタミンC」。
実はこのビタミンCは人間の体では作ることができないということをご存じでしたでしょうか。
今回はあまり知られていないビタミンCの効果から、自分の体では生産できないビタミンCをいかに効率的に摂取するか。
美人ラボ独自の視点からお伝えしていこうと思います。
ビタミンCは人間の体では作られない?!不足しやすい理由とは
ビタミンCとは生きていくのに必要栄養素のひとつ。
しかし、このビタミンCは人間の体では作り出すことができません。
さらに、水溶性のため一定期間で尿に溶けて排泄されてしまうので体の中で長期的に保管しておくこともできない。
その上、熱に弱く、光や空気の影響も受けやすい。
このようにビタミンCは人間にとって必要だけれども意識して摂取していないと、常に体は不足している状態に陥りやすい栄養素なのです。
ビタミンCには摂取目安量が定められており、1日約100mg。
美容効果を期待する場合には、1日約1000mgを目標に取り入れることをお勧めします。
ビタミンCは結局何に効果があるの?ビタミンCの6つの効果とは
①シミ・そばかす予防と修復
ビタミンCはシミ・そばかすの原因であるメラニンを合成するのに必要な材料(チロシン)を無効化する力をもっています。
そのため、シミ・そばかすを作る根源を抑制することによって予防することができるとされています。
また、予防するだけでなく、すでにできてしまった黒色メラニンをビタミンCの還元作用によって、淡色メラニンへと導くことができます。
そのため、しみ・そばかすそのものを薄くすることができると言われているのです。
②コラーゲンの生成
ビタミンCはコラーゲンの生成に必要な材料のひとつとしても活躍しています。
コラーゲンが生成されれば、肌の弾力やたるみ、フェイスラインの引き締まりにも効果がでてきます。
③老化の抑制
老化の一番の原因とされているのは活性酸素による体のさびつき。
りんごを切って置いておくと茶色になっていくように、わたしたちの体も加齢とともにどんどん酸化されていってしまいます。
この活性酸素による酸化を還元し、無効化してくれるのが抗酸化物質として働いているビタミンCなのです。
④ダイエット
ダイエットは、筋肉は残しつつ余分な脂肪だけを落とす。というのが基本です。
この余分な脂肪だけに効果があるのが、アミノ酸の親戚であるカルニチンという物質。
このカルニチンを作り出す原料のひとつがビタミンCです。
⑤ストレス
人間はストレスがたまると副腎からストレス対抗ホルモンをだして対処しようとします。このストレス対抗ホルモンを作りだす原料のひとつがビタミンCなのです。
⑥こころ
人間のこころは神経伝達物質と強いつながりがあると言われています。
この神経伝達物質の中でも興奮系のノルアドレナリンを合成するのにはビタミンCが必要。
ノルアドレナリンは自然の中で生き残っていくのに必要な、目覚め、集中力、積極性、興奮、攻撃、不安、恐怖、痛みの軽減という感覚をつかさどっています。
見出し
摂取目安量100mgってどれくらい?ビタミンCが豊富な食べ物
ビタミンCの1日摂取推奨量は100mgと言われていますが、実際100mgとはどれくらいなのでしょうか。
ビタミンCで代表的な野菜・果物別でみてみましょう。
・果物編
100gあたり | 1個あたり(1個の平均重量) | 1日の必要摂取量 | |
ゆず | 160mg | 160mg (100g) | 1個 |
レモン | 50mg | 20mg (120g) | 5個 |
いちご | 62mg | 12mg (30g) | 9粒 |
グリーンキウイ | 69mg | 69mg (100g) | 2個 |
ゴールデンキウイ | 140mg | 140mg (140g) | 1個 |
グレープフルーツ | 36mg | 79mg (220g) | 1.5個 |
・野菜編
100gあたり | 1個あたり(1個の平均重量) | 1日の必要摂取量 | |
パプリカ(赤) | 170mg | 220mg (130g) | 0.5個 |
パプリカ(黄) | 150mg | 195mg (130g) | 0.5個 |
ブロッコリー | 140mg | 280mg (200g) | 0.5個 |
ピーマン | 76mg | 26mg (35g) | 4個 |
じゃがいも | 35mg | 52mg (150g) | 2個 |
ほうれん草 | 60mg | 120mg (200g) | 1束 |
このように普段から手軽に食べられる食材からもビタミンCは摂取することができます。しかし、ビタミンCは熱に弱いという性質状、火を通してしまう摂取量は大きく減ってしまうので、生の状態で摂取することが大切です。
定番だけれども外せない、ビタミンCの摂取の補助にはサプリメント
熱や空気に弱く、水にとけやすいという不安定な状態のビタミンCをすべて食事でまかなうのは結構大変なこと。
そこで、やはりビタミンCの効率的な摂取方法はサプリメントといえるでしょう。
コンビニやドラックストアでもみかけるサプリメント。
1日約1000mgであれば30日分で300円くらいから購入も可能なので、手軽に始められやすいのもおすすめポイント。
サプリメントを飲むタイミングは夕食後、もしくは就寝前がいいでしょう。
これは、起きているときと比べて、就寝中では約20%程度吸収率が高くなると言われているからです。
また、より高いビタミンCの効果を求めるならば、持続型のビタミンCがおすすめです。
しかし、やはりベストなのは食材からの摂取。
サプリメントはあくまで果物や野菜から摂取できるビタミンCの補助として取り入れていけたらいいと思います。
ビタミンCにはシミやしわなどよく知られている美容効果からダイエットやストレスといった体やこころまで重要な働きをする力があります。
しかし、人間の体内ではほとんど作り出すことができないため、いろいろな工夫で取り入れる必要がある栄養素であることがお解りいただけたでしょうか?
ビタミンCについて意識するだけでもすこしずつ私たちの美は変化していきます。
美は食事からというように体内に入れたものが直接私たちの体に結びついてきます。
ビタミンCを効率的に摂取して、より美しい自分を手に入れましょう。