少しずつ暑さも和らぎ、肌寒い日もでてくるようになってきました。
応用生物化学科の真帆です。
これからの季節気になってくるのはやはり乾燥。
特にお肌の乾燥は美白、美肌のためにも天敵になってくるため保湿はすごく大切と言われてはいるのですが…
どうも保湿は手間に思ってしまう日もあるのではないでしょうか。

しかし、保湿とは私たち人間の機能としてそもそも備わっているくらい大切なものなのです。
その大切さを機能面から読み解いていき、本当に保湿に必要な成分をご紹介いたします。
ぜひ今後の保湿系商品購入時の参考にしていただければと思います。

保湿の重要性。それは「お肌の水分」を逃がさない事

そもそもなぜそんなに保湿が大切だといわれるのか。
それは、お肌に水分が十分保たれているというのが健康な肌にとっての必須条件だからです。
私たちの肌(皮膚)の表面の層を角層と呼びます。
この角層には、バリア機能と保湿機能というものを備えており、これらの働きによって、角層のうるおいは保たれています。そして、このうるおいがしなやかさとやわらかさを生み出し、美しい肌となるのです。

美しい肌では角層におよそ20~30%の水分が保たれていると言われています。
角層は外部環境の影響を大きく受けるので、湿度が高ければ肌の水分量は増し、外気が乾燥すれば肌の水分量も減少します。
一般的には角層の水分量がおよそ10%を下回ると、肌がカサカサになって潤いがなくなっていき、様々な肌トラブルへとつながっていってしまうのです。

乾燥するとどうなるの?

肌が乾燥しているというのはつまり、皮膚の水分や皮脂が減少しているという状況です。乾燥肌になってしまうと肌にいろいろな悪影響をおよぼしてしまいます。

  • 肌のカサつき、つっぱり
  • 粉吹き
  • 炎症によりかゆみやひりひりといった症状
  • メイクのりが悪くなる

水分を逃がさないため人間もつ機能「バリア3因子」とは?

では私たちはどのようにしてお肌の水分を保てばよいのでしょうか。
私たち人間の肌は水分を保つためにいろいろな機能が備わっています。
中でも皮膚の持つ「バリアの3因子」についてみていきましょう。

「バリアの3因子」とは細胞脂質、NMF、皮脂の3つのことでそれぞれ非常に大切な役割をしています。

  1. 細胞間脂質:水分を挟み込んで保持する
  2. NMF(天然保湿因子):水分をつかまえる
  3. 皮脂:水分を閉じ込めて逃がさない

つまり、1.細胞間脂質や2.NMFで水分を保持し、その水分を蒸発させないように3.皮脂で皮膚を覆っているのです。

また、皮脂には肌を保護するバリア機能も持っており、皮脂が減少してしまうと当然このバリア機能も低下してしまい、肌への直接ダメージが大きくなります。
そのため、健康な肌には水分と油分のバランスが大切といわれているのです。

バリアの3因子を補助するおすすめ保湿成分

保湿の重要性と人間にもともと備わっている保湿の機能がわかれば、あとはこの機能をいかに有用に使っていくかが問題になってきます。

そこで、「バリアの3因子」それぞれの働きを補助できる成分をみていきましょう。

①細胞間脂質⇒セラミド


細胞間脂質は、角質細胞同士の間で埋めている脂で、その主成分は「セラミド」と言われています。先の結合水でもでてきた、このセラミドを保持することが保湿への近道です。セラミドは、主にほ乳類の脳や酵母エキスから抽出されます。

なお、化粧品や健康食品に配合されるセラミドは、セラミドの前段階であるグルコシルセラミドの形態をとります。角層に含まれる計12種のセラミドは、すべてグルコシルセラミドから産生されます。

グルコシルセラミドは主に、イネ科植物イネの種子から生じる米ぬかや米胚芽などから抽出されますが、米以外にトウモロコシや大豆、こんにゃく、小麦、キノコ類、ビートなどにも含まれています。

②NMF(天然保湿因子)⇒アミノ酸

NMFは角質細胞の中にあり、細胞そのもののうるおいを守っています。
肌の天然保湿因子の約半分はアミノ酸とアミノ酸のひとつであるグルタミン酸からできるピロリドンカルボン酸(PCA)です。
表皮の細胞が死んで角層になるときに、細胞内のたんぱく質が分解してアミノ酸となって角層に供給されています。

アミノ酸と一声にいってもアミノ酸にはたくさんの種類があります。そこで、中でも積極的に摂取したいアミノ酸は「セリン、グリシン、グルタミン酸、アラニン、リシン、アルギニン、トレオニン、プロリン」です。

アミノ酸は天然保湿因子を作り出すだけでなく、コーラゲンの元になったり、角層の保湿力やバリア能を保つ効果もあります。
アミノ酸は、角層の状態を整え、お肌本来のチカラを引き出し、ターンオーバー(お肌の新陳代謝)を正常にすることで、美肌へと導いてくれるのです。
お肌が本来持っているチカラを十分発揮するための基礎的な成分として、ぜひ積極的にアミノ酸を摂取していただきたいです。

③皮脂膜⇒コレステロールや水分

皮脂膜とは、皮脂腺から分泌される皮脂(油)と汗腺から分泌される(水)が混ざり合ってできる水と油がまざった「うるおいの膜」です。
皮脂は脂肪酸、スクワレン、リン脂質、コレステロールなどで構成されています。
汗はほとんどが水で構成されていますが、塩分なども含まれています。
この膜は、外からの異物の侵入を防ぎ、体の中からの水分の蒸発を防ぐ働きをしており、まさに「天然のクリーム」であるといえます。

皮脂膜は、石鹸や洗顔料などで皮膚を洗うと流れてしまいますが、汗や皮脂は常に分泌されているので、数時間後には元の状態に戻ります。そのため、皮膚は常にある程度のうるおいを保つことができるのです。気温の低い冬場は、皮膚の代謝が低下するため、皮脂腺の機能や汗腺の機能が低下し、皮脂膜の形成が悪くなります。
皮脂膜とは、角層の表面(皮膚表面)を覆っている天然の保護膜です。

いかがだったでしょうか。
人間の体は本来健康に生きていけるだけの機能はしっかりと備わっているもので、その機能をいかに使いこなすか。
それが今の私たちが健康で美しい自分につなげるための大きな一歩になるのだと思います。
しかし、それを実行に移すためには人間の機能そのものを理解し、必要なものを知るということがとっても大切になってきます。

今回の記事を通して、少しでも多くの方に人間本来の機能を理解していただき、今本当に自分に必要なものは何なのか。
それを意識して取り入れていただけるきっかけとなれば嬉しいです。ぜひ今後の保湿系商品購入時には裏面をよく見ていただき、自分に必要な成分を効果的に取り入れていきましょう!